【詳細】セクタバイセクタでのクローン時の所要時間を短縮する方法【2024/6/25】
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目次
この記事について
※ この記事は、もともと【困った】SSD/HDDのクローンが完了しないまたはエラーが出る【2024/6/22】の補足記事として作成したものです。セクタバイセクタのクローン方式とはどのようなものであるのかということやその方法は元記事の【困った】SSD/HDDのクローンが完了しないまたはエラーが出る【2024/6/22】をご覧になってくださいね。
システムディスクのクローンを実行した場合に、SSD/HDDのクローンが完了しないまたはエラー(ファイル名が不正です・ファイル名が長すぎますなど)がでてしまい、クローンができないことがあります。
エラーは表示されずに動作が停滞してしまう(フリーズ状態)こともありますし、最悪の場合は待機中に勝手に動作が停止してウインドが消えてしまうという場合もでてきます。
そのようなケースでは通常のバックアップもエラーで停止してしまいますので、それを解消するクローン方法が必要になります。
また、コピーできないファイツやフォルダがあるということで「スキップしますか?」というトーストが表示されてスキップしないと進まないという場合もあります。
あまり気持ちの良いものではありません。
そのような場合にセクタバイセクタのクローン方式という回避方法があるのですが、空き領域を含めてクローンする形になりますので、通常のクローンよりも所要時間が長くなってしまいます。
この記事では、そのような場合にセクタバイセクタのクローンの所要時間を少しでも短くするために不要ファイルを削除し、空き領域を縮小する方法を解説します。
警告:
故障しかかったディスクの回復や誤って消去してしまったデータの復元の際に、元ディスク内のデータを保全しておく目的でセクタバイセクタ方式のクローンを行う場合は、この記事の操作は絶対にしないでください。
とにかく元ディスクの状態を維持/保全しておく必要があるためです。
空き領域の操作や不要ファイルのクリーンアップをしてよいのは、正常なディスクで
エラーの発生してしまうファイルやフォルダが有り、それらを含めたまるごとの内容をセクタバイセクタのクローン方式でクローンする場合だけです。
所要時間を短縮する準備
この記事についてでお話したようにセクタバイセクタのクローン方式は、元ディスクのデータをすべてクローンすることになります。
正確な表現ではないですが、通常のクローンは目に見えるデータを、セクタバイセクタ方式は目に見えないデータを含めてすべてを転写すると捉えるとよいでしょう。
そのため、
・hiberfil.sys(休止ファイル)とpagefile.sys(仮想メモリ/ページファイル)を整理
・通常の目に見える不要データの削除
・空き領域の縮小
・システムドライブの領域の配置を整える
という順序で、クローンするデータを減じます。
言葉で書くと大変に見えますが、操作自体は難しくはありません。
減じた分がもろにクローンの所要時間に反映されますので実行することをおすすめします。
※ 場合にもよりますが、これらの操作を実行することで使用容量といわれる部分だけで20~30GB程度減る場合が多いです。多めの方ですと100GB以上減ることも珍しくありません。
あくまで、自己責任の操作です。操作前にシステムのバックアップを取得しておくなどしてください。
特に空き領域の縮小以降の操作をする前には、バックアップの取得を強くおすすめします。
More:
・通常の目に見える不要データの削除と隠しデータとなっているものの生成の停止や整理は通常のクローン時の所要時間短縮にもなります。
・同じ容量のディスクを購入してきても、容量の計算方法やメーカーの仕様でサイズは異なります。そのような場合に元ディスクのサイズを縮小して、移行先ディスクの容量以下にすることで回避ができます。
・こちらは、推奨事項です。クローンの所要時間が多少長くてもよいという方や操作に自信のない方が無理に実行する必要はありません。
hiberfil.sys(休止ファイル)とpagefile.sys(仮想メモリ/ページファイル)を整理
ここでは、hiberfil.sys(休止ファイル)とpagefile.sys(仮想メモリ/ページファイル)を整理します。
hiberfil.sys(休止ファイル)の作成の停止と削除
コマンドプロンプトを右クリックして管理者として実行 ⇒ powercfg /h off(半角スペースの入力忘れに注意!!!)と入力してエンター」これで操作は完了です。クローンがうまく行って起動ができ、もとに戻す場合はpowercfg /h onを実行してくださいね。
pagefile.sys(仮想メモリ/ページファイル)の適正化
現状ページファイルの大きさは、PC環境によりますが4~20GB程度になっていることが多いです。0(ゼロ)は推奨しませんが、クローン時は最大最小とも2000MB程度に設定しておくことをおすすめします。
現状、システムの詳細設定が非常に見つけにくくなっています。以下の手順で起動してください。
Win10:
設定 ⇒ システム ⇒ 詳細情報 ⇒ 下へスクロールしてシステムの詳細設定とたどります。
Win11:
設定 ⇒ システムで下絵スクロールして ⇒ バージョン情報 ⇒ 下へスクロールして関連リンクのシステムの詳細設定とたどります。
ここ項目には関連時事があります:【旧館からの移転記事】SSD移行後何もしないのに使用容量が一気に増えた???
システムの詳細設定の操作
システムの詳細設定が開いたら、パフォーマンス ⇒ 詳細設定 ⇒ 仮想メモリと進みます。
仮想メモリのタブで、すべてのページング…のチェックボックスのチェックを外す ⇒ カスタムサイズのレジをボタンをON ⇒ 最大と最小のサイズを2000MBにする ⇒ 順時適用がある場合は適用を押してからOKを押していく すべてのウインドが閉じたらPCを再起動します。
通常の目に見える不要データの削除
設定のストレージから実行する方法もあるのですが、この記事ではシンプルに直接「ディスククリーンアップ」を起動しての実行方法を利用します。異なる方法もあるのですが、操作のわかりやすさや安全性などから、この方法を紹介します。
Win10:エクスプローラー ⇒ PC ⇒ c:を右クリックからプロパティーを開く ⇒ ディスククリーンアップ
Win11:エクスプローラー ⇒ PC ⇒ c:を右ダブルクリックから展開 ⇒ ウインド右上部の「 … 」(もっと見る)からクリーンアップを起動します。
ディスククリーンアップの操作
ここではディスククリーンアップのうち、システムファイルのクリーンアップを利用します。「通常のクリーンアップを含み、プラスアルファーの部分まで一括で操作できる手順」ですので、一回の操作で完了します。
なお、少ない方でも10GB程度、多めの場合ですとゴミ箱の隠れ容量を除外した他に20~100GB程度の不要ファイルがあることも珍しくありません。
・通常は、起動した状態のデフォルトのチェック項目で実行します。
・ゴミ箱と、Windows old(古いWindowsのファイル)にチェックが入っていない場合はチェックを入れます。
※ ゴミ箱の内容が完全に消去され、元に戻せなくなります。心配な方は、事前にゴミ箱の内容をチェックしてください。(自分で削除した憶えのない、ファイルがゴミ箱に入っているケースも無いことではありません)
・デフォルトでチェックが入っていない項目は、理解できる方だけ追加するようにしてください。
・絶対に危険を避けたい方は、通常のクリーンアップを実行してください。
ここから、システムファイルのクリーンアップを起動し、ゴミ箱とWindows oldのチェックを確認して実行します。
次に、システムの復元とシャドーコピーを整理/削除します。なお、使い勝手の問題や再導入に関する問題がありますので上のプログラムと機能の削除は実行したいという方だけが行ってください。
※ 説明の都合上ここに書いていますが、シャドーコピーは再起動すると復活しますので、この操作をする場合はクローン作成の直前に実行してください。(順に操作していってシステムドライブの領域の配置を整え終えたあとに実行して、システムの復元とシャドーコピーが整理/削除された状態でクローンします。
空き領域の縮小
ここでは、安全性を鑑みてWinのディスクの管理を利用します。(操作自体が可能などソフトは他にもあるのですが、安全に縮小できる限度の点でWin純正の機能を利用します)
※ 画像はWin10。Win11も同じです。
タスクバーのWindowsアイコンを右クリックし高度なコンテキストメニューを表示させる ⇒ ディスクの管理をクリックして開く
ディスクの管理が開いたらC:を縮小します。C:をクリックして選択 ⇒ 右クリックして開くメニューからボリュームの縮小をクリックすると「利用可能な縮小領域のボリュームを照会しています。お待ち下さい…」と表示されますのでしばらく待ちます。
※ 縮小ができないと表示される場合があります。その場合は、他のツールで無理矢理に縮小することはしないで縮小を諦めてください。
縮小が可能な場合には次のようなウインドウが開きますので、縮小が可能な領域のサイズの数値の範囲で縮小します。(通常はこのまま実行してOKです)数値の設定が済みましたら、縮小ボタンをクリックします。
※ 縮小可能な領域は使用状況により異なります。画像は仮想マシンの可変容量ディスクのため、通常のディスクよりも縮小できる領域が少ないです。私の実機のSSD(1TB、使用領域506GB)のケースでは、456.5GB縮小可能で518.5GBまで縮小できるという結果でした。通常の物理ディスクですとかなり容量を圧縮できる事が多いです。
仮想PC
実機PC
クリックするとウインドウが消え、ポインターマークがぐるぐるしだすのでそのまま待ちます。(マウスポインターの設定によっては、砂時計マークなど他の表示になる場合もあります)しばらくすると領域が縮小され結果が表示されます。
システムドライブの領域の配置を整える
通常のクローンの場合では、このままクローンしても未割り当ての領域のチェックを外せば、未割り当ての領域は消えます。
しかしながら、セクタバイセクタのクローンでは使用領域の間にある未使用領域をクローン対象から除くことができない場合もあります。
また、KB5034441が0x80070643エラーでインストールできないということが、最近あったのを憶えている方も多いと思います。
そこで、ディスク後端にある回復パーティションをC:の直後に移動し、容量を調整します。
Winのディスクの管理の機能では操作ができませんので、パーティションソフトウエアMiniTool Partition Wizard 無料版で操作を行います。実際の操作時は、パーティションの移動/サイズ変更の方法| MiniTool Partition Wizardのチュートリアルも参考にしてくださいね。
※ システムドライブの領域の配置を整えPCが再起動したら、システムの復元とシャドーコピーを整理/削除する方は実行してください。その後は再起動をせずに直ぐクローン操作を実行します。
回復パーティションを選択後、パーティション移動/サイズ変更をクリックします。
パーティション移動/サイズ変更のウインドウが開きましたら、C:の直後までスライダー操作をして領域を拡張する ⇒ パーティション後端を前方にスライドして2GB程度の大きさに調整します。(画像ではすでに調整済みの容量になっていますが、通常の大きさは1GB程度です。領域の容量変更が扶養な場合は領域の端ではなく真ん中にマウスポインターももっていくと十字のマークになり、そのままドラッグで移動ができます)
移動/サイズ変更前の状態
操作後に結果を反映した表示(この段階ではまだ実際の操作は行われていません)
望む通りの状態に操作ができましたら、OKボタンをクリックし、ウインドウが閉じたらツール画面左下の適用ボタンを押します。
一応警告トーストが表示されますが、そのままはいを押して操作を実行します。
今回時間が短すぎて画像と取得できなかったのですが操作ウインドが表示され、操作が完了するとウインドウは自動的に消えます。
操作終了後はディスクが次のような状態になっていることを確認して完了です。
※ そのまま操作ができず、再起動が必要と表示される場合もあります。その際は、ソフトの指示に従ってください。
その他の手段について
クローンする元ディスクの容量を減らすには、ユーザーフォルダ中の画像や動画など大きな容量を専有しているファイルをを別のストレージにあらかじめ退避してクローンする容量を減じておくなどの方法もあります。
そのようなケースでは、フォルダのプロパティーからの移動機能(場所の変更)を利用して個別のユーザーフォルダ自体を別ドライブに移動する方法はおすすめしません。
※ 移動している場所が別ドライブの場合です。1台のストレージをC:とD:にパーティション分けしていて、同時にクローンする場合はこの限りではありません。
参考:この方法を指しています。
CドライブからDドライブへ:Windows 11/10のユーザーフォルダ保存場所の変更手順
理由は、クローン後の初回起動時やWinUpが実行された際に、ユーザーフォルダの中に場所の変更を行っているフォルダが再作成されてしまうことがあるためです。
表面上トラブルは発生していないように見えるのですが、この状態(ユーザーフォルダという特殊フォルダが二重に生成されている状態)はまったくもって好ましいものではありません。
トラブル回避のために場所の変更をした状態でのクローンは避けてください。
ユーザーフォルダを別のドライブに移動している場合は元の場所に戻してから、クローンするようにしてください。
なお、ユーザーフォルダ中の画像や動画など大きな容量を専有しているファイルをを別のストレージにあらかじめ退避してクローンする場合はフォルダの移動は行わずに、フォルダの中身だけを別のストレージに移動/コピーして後に削除し、クローン完了後に書き戻すようにしてください。
例:
ユーザーづフォルダのビデオに大量の動画がある ⇒ USB接続のHDDなどに例えば動画という名前のフォルダを作成して中身のファイルだけを移動するないしはコピペして後に元のファイルフォ消去してフォルダを空の状態にする
終わりに
最後まで記事をお読みいただきありがとうございます。
自己責任での操作となりますので、きちんとバックアップを取得するなどして、慎重に操作を進めてくださいね。
なお、質問などがありましたらコメント欄でお受けします。
この記事があなたのお役にたてば幸いです。
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